酵素の働き

 

酵素に関する研究が進んでいくに従って、実は酵素を作る能力というものは、一人一人遺伝子によって決まっており限界があるのだということが分かってきました。

 

その人間が固有に持っている、一生のうちで作れる一定量の酵素のことを潜在酵素といいます。体内で作られる潜在酵素は、大きく分けると消化酵素と代謝酵素の二つがあります。

 

消化酵素は、文字通り消化のために働く酵素であり、私たちが毎日食べるご飯や野菜などの食べ物を消化分解し、吸収するための酵素です。例えば、唾液の中に含まれているアミラーゼはデンプンを分解する酵素であり、胃液に含まれているプロテアーゼはタンパク質を分解する酵素です。その他にも、膵液の中にある、脂肪を分解するリパーゼなどがあります。

 

一方、代謝酵素は、吸収された栄養を体中の細胞に届けて、有効に働く手助けをしたり、毒素を汗や尿の中に排出したりする働きがあります。さらに、体の悪い部分を修復し、病気を治したり、免疫力を高める働きも持っています。

 

そして、これらの潜在酵素の他に、身体の外にある酵素があります。それが食物酵素と呼ばれているものです。野菜や果物、生の肉、生の魚など、加熱されてない生の食べ物や、みそ、納豆、ぬか漬けなど発酵食品にはこの食物酵素が含まれています。この食物酵素の含まれた食べ物を加熱された食品と一緒に食べると、消化が助けられることになります。